アベイラブルスケールをどう考えるか

曲をアナライズすればここはCメジャーが使えるとかCドリアンが使えるとか分かる。理論は単純で、初心者にも難しくない。実際にどうアドリブするかが問題である。初心者からすると「スケールが分かったからといってアドリブなんかできねーよ」である。

でもまあ、アベイラブルスケールを練習するんだね。文句言っちゃいけない。左でコードを弾きながら、適当にスケールを上下する。メトロノームを使ってゆっくりと。とちりながらもワンコーラス、何とかメトロノームに合わせて左手でコードが弾けて、右手でスケールが辿れるようになったらこっちのもの。僕なら数週間はかかるかな。

ここまで来れば初心者OKセッションには十分参加できる。お。頑張ってるな。スケール分かってるじゃん。「土俵に立てた」というやつだ。ここからがアドリブの醍醐味であり、難しいところでもある。

まずコードとの兼ね合いだ。C^7 – Am7 – Dm7 – G7 とあったときに、これはCの1625。全体でCメジャーが使えるな、とアナライズする。正しい。しかし、実際に音を出してみると簡単な話ではない。C^7 で”ファ”を何気に伸ばしたりなんかすると冷や汗が出ること間違いなし。落とし所考えて使わないとダメな音だ。“ド“。これだったら間違いない。安定だ。“レ“。これもいい感じ。「レはレモンのレ」か。そこまで酸っぱくもないか。一口にスケールと言ってもそれぞれ強い個性がある、というわけ。

スケールをピザに例えた動画がある。

なかなか気が利いている動画だ。和食だったらルートはもちろん白ごはん。“ミ“や“ソ“はメインディッシュかな。いや味噌汁?洒落か。白ごはんに味噌汁。いいじゃないの。だったら“シ“は醤油。“レ“は・・・何だろうな。入り口にも出口にも使える便利な音だ。果物っぽいイメージかな。レはレモンのレ。和食にレモン?

食べ物に例えたらアドリブができるかといえば、やはりそれほど簡単な話でもない。各々のコードで切り替わると考えると、Am7ならAエオリアン。ルートの”A”が白ごはん、で3, 5度の”C”, “E”が味噌汁で・・・。となるがこれじゃ大変すぎる。面倒くさいから1625をCメジャーでざっくり捉えて”C”が白ごはんで通す。でもそれだと単調なソロになってしまうのでは?とかとか、とにかく忙しい。アベイラブルスケールを頭で理解したところでアドリブには間に合わない。

何が言いたいのか分からなくなってきた。アベイラブルスケールが頭でわかってもアドリブは取れない。でもアベイラブルスケールが分からないとアドリブを取ることは難しい。練修してスケールを血肉化する他はない。1、2、3、4、5、6それぞれの違いが分かるとアドリブが生き生きしてくるに違いない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です