仕込みフレーズ考 〜 なぜ初心者はアドリブを仕込むべきでないのか

結局のところ音の数は12しかなく、極論言えばどこかで誰かがあらゆるメロディを演奏してしまっている、ということになる。全く新しいメロディなどもはや存在しないのだ、と。

もちろん「一音の長さや強弱、アレンジを加えれば無限のバリエーションを作り出せる」とも言えるけどね。でも似たような曲が量産されるだけじゃないかな。これも極論。

だったら仕込みフレーズって何だよ。という話である。アドリブしたってそれが過去のメロディの模倣だったという確率は非常に高い。知ってて演れば仕込みアドリブである。知らずにやったとしたらオリジナルか?本当に知らなかったのか?たまたま聴いたメロディが密かに記憶されていなかったと言える?グレーゾーンである。

例えばパーカーフレーズ。よく出てくるよね。めちゃくちゃ速くてカッコいい。ヒュー!って感じだ。聴けると嬉しい。

つまりチャーリー・パーカーは仕込みフレーズを使いこなしている。

ピアノソロなんかは事前に全体の構想やキーとなるフレーズを考えておかないとキツイと思うね。事前のアイデア一切なし、頭真っ白でピアノに向かって演奏はできないでしょう。いや、全盛期のキース・ジャレットだったらできるかな。泉の如くアイデアが湧いて止まらない、みたいな。

あるいは逆に「あ・・(察し。これ仕込みだね・・・」とシラけることも少なからずある。一流?とされる?プロの演奏だって珍しくない。調子が悪かったのかな。あるいは事前にある程度仕込んでおくスタイルなのか。(それってジャズか??)。あるいは慣れたフレーズ、ありふれたフレーズしか出なくなってしまったのか。

つまり、例えプロであっても、仕込みフレーズを生き生きとカッコよく演奏するのは難しいのだ。

初心者だったら仕込みフレーズを弾くだけで大変である。12キーで繰り返し練習し、あらかじめ曲に組み込む方法を検討して、セッションの現場で(ここだ!)と出しても、綺麗に決まってしまうと逆に残念だ。単なる習い事の発表会である。むしろ失敗してそれを取り繕おうと、冷や汗をかきながらなんとか落とし前をつける方がよほどスリリングでアドリブらしい。

初心者が仕込みフレーズを弾いたって、絶対にカッコよくはならない。頑張ってミスタッチしてプレイする方がよほどかっこいいぜ。

だから、仕込みフレーズ練習するより、スケールとコードを意識して練習する方がよほど大事なのだ。

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