52歳からピアノを始めてリストの超難曲「ラ・カンパネラ」を弾き切った人である。
ありえない?ありえるのである。
やれば、できる。簡単である。7年間毎日、8時間練習すれば良い。楽譜は読めなくても大丈夫。フジコ・ヘミングさんの動画を見て、耳コピして指使い確認すれば良い。実際にそうなさったそうだ。
って全然簡単じゃねーよ。でもまあ、やればできるのは事実らしい。だって、ほら、ここに証拠がある。
僕も40過ぎてからピアノに真面目に取り組んできて、我ながら明らかに技術が上がったと感じる。歳を取ってもいけるやん、と思っていた。でも、そうは言っても小さい頃に少し(ほんの少し)ピアノを習ってたし、子供のためにピアノを買ってから自分も遊び引きしてたし、楽譜も読めるし、0からのスタートではない。大人が0からピアノを始めてもキツイのかなあ、とは思っていたが、そんなことはないと分かって嬉しい。年取ってもピアノは上達するのだ。僕の実感とも合致している。正しかった。
もう一つ、僕には貴重な教訓がある。20代後半から40歳まで、ほぼ毎日1、2時間弾いて、ほとんど上手くならなかったのだ。つまり、遊び弾きでは、ほとんど上達しない。ゆっくり、できればメトロノームに合わせて、きっちり弾かないと上達しない、と身をもって証明したのである(エヘン
「ノリ漁師ピアニスト」さんも練習の内容がよかったに違いない。僕みたいに「楽譜見ながら遊び弾き」を20年したってラ・カンパネラは弾けない。そもそも続かないか。彼の練習が良かったのは「楽譜が読めなかった」結果で、それが奏功したのだろう。
楽譜が読めない以上、耳と目で何とかするしかない。ジャズでも耳コピが上達の王道である。楽譜見ながらだと曲を覚えなくても弾けてしまう。これがとても良くない。楽譜に頼らない。ちゃんと耳で聞く。ゆっくり練習して、ちゃんと再現する。これができれば、歳をとってもちゃんと上達する。絶対。