ジャズともピアノとも関係がないのである。ピアノの練習はしつこく続けている。なかなか上手くはならないものの少しずつ進歩はしていると思われる。思わないとやってられない。
ロバート・デ・ニーロ主演である。昔、高校生の頃だろうか。NHK BSで放送していたのを見た記憶がある。はて?NHK BSってそんな昔からあったか?と思って調べたらちゃんとあった。よかった。記憶があてにならない昨今だ。そうそう。衛星放送受信用のアンテナが実家にあったな。
高校生の僕は「デ・ニーロかっけえ!」という強烈な印象を受けた。逆に言えばそれだけの印象しか残らなかったわけだが、それでも30年以上僕の記憶に残り続けているのはちょっとただごとではない。
以降、たまに「タクシードライバー」評を見かけることもあるけれど、どうもピンとこない。そんな映画だったけ?「デ・ニーロかっけえ!」という印象しかないから当たり前だ。どんな映画かはさっぱりと忘れている。
機会があれば見直したいものだと思っていたら、なんということでしょう。この4月からNetflixで見られるようになっていた。3月には無かったぞ。ささやかなセレンディピティである。
見直してみたら、なんとなく高校生の僕がどう見たか理解できた。ダークで妖しい異国情緒漂う、デ・ニーロの演技が凄まじい、ハリウッドアクション映画よりはレベルが高いアートな映画として楽しんだのだ。リアリティを全く感じて無かったわけ。
主人公の狂気というか「ズレ」に当時高校生の僕は違和感を覚えなかったようだ。今の僕もさほど違和感を覚えない。孤独に追い込まれたら、ああなってもおかしくはない。理解できる範囲だ。
主人公のズレを「あるあるww」と感じられるかどうかで大きく評価が変わる映画であろう。しかし、あの主人公に共感できる自分もどうなの?という気もしつつ、都会でかなりキツい孤独に陥った経験のある人間なら分からんでもないかな、と思い直す。多感な高校生時代の僕もワリとすんなり感情移入できたのだろう。いい映画であった。
Netflixさんには次は「未来世紀ブラジル」をお願いしたい。これももう一度見直したい(しかしレンタルするまでもないかな・・・と思ってしまう)映画のひとつである。