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音楽生活が結構向上したのでご報告である。
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楽器を実際に演奏しない人こそ、オーディオ機材にこだわる。そんな気がする。
楽器を実際に演奏すれば目の前で楽器が鳴っている。自分の出す音を1つ1つ傾聴する。楽器演奏者にとってはそれこそが音楽のリアルである。オーディオ装置から聞こえてくるのは音楽の代替えでしかない。CDだろうがMP3だろうがWAVだろうがアナログレコードだろうが、スマフォで聞こうが高級スピーカで聞こうが、養老孟司流にいえば、所詮は固定化された記録である。
音楽の学習のため、あるいは仕事や家事をしながら聞くなら、安物の有線・無線イヤホンで十分。イヤホンに2万超えとなるとかなり迷う。そこまで払えないよなあ。ノイキャン凄いというが、さすがに無音になるわけじゃないだろうし。
無線イヤホンは頑張って1万ちょいのを買って、ま、こんなものか。と使っていた。買って2年以上が経つと欠点が見えてくる。耳の圧迫感が強い。長く着けていると不快。動くと体内の音が聞こえて不快(歩いたりジョギングしてる人、よくやるよな)。結局、あまり使わなくなった。
先日、ちょっとした機会があってMacのAirPods Proを試してみた。確かに外の音が消える。このレベルなら3万出してもいいか。と思った。そろそろ買い替えの時期だし。それで色々検討してSonyのを購入した。
話が長くなった。結論。買ってよかった。電車に乗るのが楽しくなった。僕の感覚では西武線の安定走行時の騒音が6〜7割、地下鉄の轟音が5〜6割減る印象だ。どういうことかというと、なんとジャズピアノトリオのベースラインが聞こえるのである。驚きである。音楽に集中できる。
ただ、ベートーベン・ピアノソナタのピアニッシモあたりは流石にかき消されるようだ。もちろん音量を上げれば大丈夫だが、フォルテッシモがうるさくなるので迷うところだ。
音楽的ダイナミクスの小さいピアノ曲、例えばバッハの鍵盤曲、ブラームス、ショパンの多くの曲も問題なさそう。シンフォニーあたりは流石に厳しいかもしれない。
とにかく、電車でベースラインを追えたり、クラシックが聞けるようになったのは凄いことだ。音楽ライフが改善したと感じるのである。