
枯葉で2コーラス、アドリブを取るためのフレーズネタを探しながら遊び弾きしていると「所詮使える音なんて12個じゃねーか」と思って絶望することがある。
枯葉ならBbメジャーの7個が基本だ。加えて、平行調GマイナーでE、F#が使える。さらにBbマイナーペンタでDb、Ab。ナチュラルBは経過音で使える。計12個である。
Cメジャーでも同じ。平行調AマイナーでF#、G#。マイナーペンタでEb、Bb。経過音でC#。結局12音で、この12音は実体としては枯葉の例と同じ。ピアノの鍵盤をずらしただけである。
では音符5個でメロディーを作ろう。順列組み合わせで12の5乗は248,832通り。あれ?意外と多いな。
とはいえ、Bナチュラルを5個連続して叩くわけにもいかないし(叩いてもいいんだけどさ)、どうしたってメロディにならない組み合わせもある。やっぱり何となく似たようなアドリブラインしか出来ないよなあ、と一人でアドリブフレーズ考えているとその辺りで煮詰まってしまう。
しかし、音楽が有限でそろそろ世界から音楽が尽きるかといえばとんでもない話である。ピアノ曲に限ってもバッハからモーツァルト、ベートーベン、ショパン、ドビュッシーからラフマニノフ、久石譲、さまざまな曲がある。メロディもほぼ無限にあるように感じられる。そんなはずはない。どうしようもない組み合わせを除けばメロディが成立する組み合わせは有限である。頭はそう主張するが、感性は納得が行かない。無限と有限のはざまで音楽は増殖し続ける。
Garagebandをいじっていると、できることは限られているのにいくらでもやることがある、という不思議な感覚のはざまで身動きが取れなくなる。困ったなあ、面白いなあ、と思いながら最近DTMに取り組んでいる。