今、フィルム写真がちょっとしたブームらしい。
フィルム自体安いものではない。現像にもデジタル化にも金はかかる。昔の記憶だから怪しいけれど、プリントしなくても一枚あたり五十円以上はかかったと思う。今もそのくらいだろうか。気楽に食事やら空やらを撮影できるものではない。
どこかちょっとした非日常な場所に出かけるときに、フィルムを買ってカメラに装填し、出先で残り枚数を計算しながら24枚だか36枚だかを使い切って、帰宅してその日は疲れて寝てしまい、日を改めてカメラ屋に現像に出して、数日後楽しみに引き取る。
現像から上がった写真もいわゆる記念写真ばかりである。28mmの広角で撮影した漠然とした風景。背景に特徴的なオブジェを入れて全身 or 半身のアップでニッコリピース。写真ってそういうものだった。
今思えば、家の窓から見えた風景とか、住んでいた家の周りとか、両親の普段の様子とか、本当に身近な風景を写して残しておけばよかったなあと思う。でも当時はわざわざ金出して家の周りを取ろうなどとは思わなかったわけで、それはもう今さら仕方がない話だ。
デジカメは本当にありがたいものだと思う。何と言っても何枚写したって無料だ。最近のブログサイトは写真の保存容量も寛大だ。家族の写真はアップできないけれどね。
実は数カ月〜数年おきに、定期的にフィルム写真に戻りたい気分が押し寄せてる。しかしそのたびに「30枚前後撮影してデータ化するのに2,000円もかけてられないよな」と思い止まっている。
やはり撮りまくる事かな。そして家族や周りの風景を残しまくる事。僕にとってカメラってそういうためのものだ。フィルムカメラでは金がかかりすぎる。そしてスマホには任せられない。うん。
ちなみに以下の画像はGRで撮影。エアコンの室外機の上に色々並べてあった。カメラの水準器では水平は取れてたはずだけど、正面からずれているために床が斜めになっているのが痛恨だ。