マッコイ・タイナー スタイル

3/6に逝去されたマッコイ・タイナー。
やはり記憶に残るのはジョン・コルトレーンカルテットである。
「海辺のカフカ」にも出てきた My Favorite Things。素晴らしいバッキングだ。コルトレーンがソロを終わらせても分厚いコードを叩き続けるサウンドはまさに呪術的な魅力を持つ。

僕はこの人が脇役に徹しているプレイが大好きだ。名盤の「Ballads」。バッキングは本当に素晴らしい。コルトレーンのソロを引き立てるとともに、曲自体をマッコイ・カラーに染めている。

コルトレーンカルテット以外でソロを取ると不思議なことにペンタトニックの超速連打が始まる。ライブで聴くと盛り上がるプレイだが、録音で冷静に聴くと「?」となる。単にアベイラブルペンタを叩きまくっているだけではないのか?歌心も感じられない。機械的に何かを構築しているのだろうか。リズムが微妙にズレるのも気になる。マッコイはこのソロを通じて何を伝えようとしているのかと。

確かマイルズ・デイビス(実はあまり人のプレイの悪口を言わなかったらしい)が「あいつのプレイはワンパターンだ」と言ったらしい。批判というよりも事実である。ペンタトニックに取り憑かれた男。それがマッコイ・タイナー。

素人ピアニストには全く参考にならないプレイスタイルではあるが、マッコイのプレイを聴くととにかくペンタが実に強力なツールであることがよくわかる。

マッコイを魅了したペンタトニック。5音だが、深い。

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