「上手くなる」ということ

ピアノ練習と腕立て伏せは似ている。

結構正確な比喩である。どちらも「テキトー」にやっているといつまでも向上しない。浅い腕立てをヘコヘコ50回やったところで筋力は向上しない。ピアノも同じ。遊び弾きしてたって上手くならない。現状維持も怪しい。マジで。

練習はきっちり正確に行う必要がある。腕立てなら毎回しっかり体を沈めること。ピアノならメトロノームを使ってゆっくりと練習すること。きっちり負荷を掛ける必要があるのだ。

独学でジャズピアノを始めて4年目に入った。現時点でこれまでの練習を振り返ってみる。

おそらく、ジャズピアノが上手くなるために必要な練習は五種類である。

一つ目は座学。コードとスケールだ。表面的な知識でいい。Bbm7(b5) と見たときに「♭シ、♭レ、♮ミ、♭ラで、ついでに9thはド。アベイラブルスケールはBbロクリアンで、Bメジャースケールだね」と出るとか、 よくあるコード進行つまり25やサブドミナント、上りディミニッシュを覚えるとか、機械的にアナライズしてアベイラブルスケール出すとか、ダイアトニックスケールの全ての7thコード把握して数字でコード進行が読めるとか、そういうやつ。電車通勤とか会社の休憩中に勉強できる。当面は全く実用的ではない。頭でわかってても弾けない。曲の流れに全然認識がついてこない。それが当然である。だんだん指とリンクする。それには何年もかかる。僕は4年目に入ったが、まだまだだと思う。

二つ目はピアノの鍵盤を正確に弾く技術。薬指、小指で安定した音が出せるとか、左でアルペジオが弾けるとか右でスムースに指がまたげるとかそういうやつ。今はドビュッシーとモーツァルトを練習して薬指、小指を育てている。ハノンとかの方が効率的なのかもしれない。でも飽きるよな。ハノンは。どうせなら楽しく弾きたい。メトロノームを使ってゆっくり、が基本だ。

三つ目。座学との連携。25を12キーで練習するとか、お気に入りの曲を12キーでやってみるとか。ルートレスヴォイシングとか、17、13ヴォイシングとか。あとはスケール。メジャースケール、マイナースケール、ペンタとか。

四つ目。耳の訓練である。Ear Trainingアプリを使って音当てする。自分の演奏に耳を傾けるとか、実際に歌ってみるのがいいんだけど、なかなか自分の演奏を聞く余裕はないし、集合住宅では心置きなく歌えない。通勤中に耳トレアプリを使うのが効率的だ。

以上が基礎練。

五つ目は自由練習で、実際の曲でコードフォーマットを試してみたり、スケールを確認してみたり。これもメトロノームでゆっくりが基本だ。

これまで色々意識して、背伸びして色々やってみたが、残念ながらあまり難しいことはできない。まあ3年しか経ってないから仕方ないね。たまにルートレスヴォイシングを使うのが関の山である。

大事なのは基礎力のようだ。Youtubeで見ると「こうしたらいい」「ああしたらいい」とガイドが飛び交っているが、基礎力について何も語らないものが多い。あまりにも当然過ぎるからだろうが常に念頭に置くべきである。

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