ジャズを教えるということ

9/5更新)動画貼り間違えていた(!)

この人の動画。よくできていると思う。分かりやすくて、なかなかキャッチーである。

しかし、ジャズ教育動画としては確実に50%失敗しているのである。ジャズ教師の罠に完全にハマってしまっているとも言える。

まず成功している50%について書こう。

それはジャズ初心者の憧れをよく理解して上手く突いてるところだ。

シンプルなキャッチコピーやフレーズで「こうすればこんなカッコいいメロディが/バッキングが/コードが/リズムが弾けるんだよ!簡単でしょ?どう?ほら!なんてカッコいいんだ!!」と訴えかけてくる。なるほど!俺もやるぜ!と思える。

それなりの再生数を稼いでいるのが成功の何よりの証である。この動画を見てモチベーションを上げている人は多いに違いない。

では、失敗している50%とは何か。

それは上級者やプロが意図しないままやってしまう「テクニック見せびらかし」の罠である。

もちろん本人は「見せびらかしている」つもりはない。見ている初心者も最初は「見せびらかされてる」感はしない。でも実際にやってみたら分かる。「こんなん絶対無理やんけ」と。基礎の力量が違いすぎるのだ。確かにフレーズは簡単だ。音の数も少ない。弾けなくはない。でもアドリブに組み込んでカッコよく弾くためには数段上の技量や曲への理解が必要なのだ。

プロ・セミプロにとっては簡単なことでも、初心者にとってはめちゃくちゃ難しい。当たり前のことだけど、プロ・セミプロの人はそれが分からない。息を吐くように自然に無意識にできてしまうから、なぜ初心者にできないかが分からない。そして思考停止してしまう。大人になって楽器を始めたなら、まあ難しいよね、と。

子供の頃から楽器を習ってきた人は、脳も体も普通の人とは違っている。そこを自覚しているかどうかが、教え方の巧拙につながると思う。

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