All The Things You Areを練習して分かったこと。
左手が1−3−7、1−7−3 (=10)フォーマットで、右手はメロディ。最初はこれで練習して何とかメトロノームに乗って弾けるようになった。
では、左から3度を抜いてみよう。1-7, 1-10フォーマットで。とたんにぎこちなくなる。うっ、と演奏が止まる。メトロノームに乗れなくなる。
どういうことか。実はここに楽器習熟の鍵があるのではないかと思っている。
結局、左手 1−3−7、1−7−10フォーマットで練習することは、それだけができるように脳に刻み込んでいるだけだ。汎用的なようでいて、実はそれしかできない。そこから3を抜いて、とか7は右手に任せて、となると別の練習が必要なのである。
ということは、どういうことか。左の1−3−5−7フォーマットをしっかりやってもウォーキング1−3、1−7、1−5フォーマットでのバッキングはできない。逆に1−3−5−7をしっかりやれば3−5−7−9のノンルートヴォイシングはやりやすいかもしれない。CだったらEm7!とかね。
つまり、知識としてはともかく、いざ楽器を演奏するとなると、ルート単体より1−3−5が難しいとか、いや1−5−7が難しいとか3−5−7−9だとか、そういう議論は意味がないのである。
よってこの動画は間違い。バッキングパターンをいくつ機械的に覚えてもそれだけでは初心者から上級者になれない。初心者と上級者の間には数週間の練習では乗り越えられない山があるのだ。(当たり前だ)
そのポイントは何か。僕が思うにそれは脳の「音楽回路」の発達なのだが、それについてはまたの機会に書いてみたい。