やっぱりフレーズ練習はダメだと思う

今年最後の投稿も粛々と。

フレーズ練習というのは、25などのコードを想定して短いフレーズを練習し、できるだけ数を貯めて、アドリブで自在に繰り出そうという発想の練習である。なお、フレーズ練習楽しい!有効だ!という人は以下の記事は無視して頂いて問題ない。

熟練者にとってはフレーズ練習は効くのだ、と言われれば、僕は初心者なので否定しようがない。しかしながら楽器初心者はフレーズ練習には幻想を持たない方が良い、というのが僕の意見である。何度か書いてるが今一度整理してみる。

理由1)フレーズ習得に時間がかかる

テクニックに合わないフレーズを練習しても身につかない。時間がかかり過ぎるし、場合によってはやるだけ無駄、という結果も多い。(体験談である。数週間頑張った結果、何も身につかなかった、ということが多い)

理由2)その場しのぎにしかならない

例えばFメジャーフレーズを2週間練習してセッションの本番で出そう。と思ってその場は成功しても大抵それっきりである。この練習では身につかない(血肉化・内面化etc.)。急がば回れなのだ。逆に「その場しのぎになりそうだ」と飛びつきがちなのも問題である。アドリブを教える人にとっても楽だ。セッションで絶望したくなかったら、フレーズを覚えてきなさい。初心者が頑張って記憶したフレーズを出す。それがアドリブと言えるだろうか。

理由3)あの罪深きメタファー

「フレーズは単語のようなもの。単語を一つも知らなければ会話できないのと同じで、フレーズをある程度知らないとアドリブはできない」。もっともらしい比喩である。キース・ジャレットは、ハービー・ハンコックはたくさんのボキャブラリーがあるから自在に多様なアドリブができる。引き出しが多い、という奴だ。熟練者にとっては「フレーズをたくさん覚える」ことは豊かなアドリブの材料になるのだろう。

しかしどうだろう。キース的なボキャブラリーを身につければキースのようにアドリブができるだろうか。単語をたくさん覚えれば覚えるほど、自在に喋られるだろうか。答えはNoである。フレーズを覚えればアドリブが出来るという洞察には、何かが欠けている。そもそもキースやハービーが「深い引き出しを持っている」のは「単語帳」が頭に入っているのとは違う。だったらAIだってキースになれるはずだ。プラスアルファがあるのだ。

初心者はフレーズを練習するより先に、フレーズを血肉化するだけの基礎力が必要なのである。

だったらどうするか。

僕なりの結論は言葉にするとすごくありきたりでつまらない。コード。スケール。耳を鍛える。この3つに尽きる。ここ、もう少し上手く説明できたらいいんだけど。(あとは実際に僕がもう少し上手くならないと、まるで説得力がない、というのも重々承知である(笑

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