人間は同時に二つのタスクを実行できない、というのが定説だったはずだが、ピアノ弾いてると「これ、どうしたって二つのことを同時にやってるよな」と思わざるをえない。
指の訓練でバッハのフーガを練習している。右手と左手、それぞれがメロディを弾いて絡み合う。両手が何となく別のことをするだけじゃなくて、両方のメロディを聴きながら弾くようにする。両手が独立してメロディを奏でるつもりで弾く。リズムも取っている。ピアノに限らず楽器を演奏するのは多かれ少なかれ複数のことを同時に実行していることになる。サックスだって左手と右手を組み合わせる必要があるし、アンブシュアや息の調節も必要だ。
まあ、多分厳密な意味でのマルチタスクではないんだけどね。世間話しながらプログラミングは組めないもの。できたら人間じゃない。
身体的な動きであれば、人は複数の動きを同時にできるのかもしれないね。バスケだってサッカーだって、走りながら敵味方の動きに気を配りながらボールを操作するわけだ。マルチタスク的な要素はある。
楽器を弾いている時の脳の振る舞いが特殊だ、という話を聞いたことがある。右脳と左脳が協調して?動いている?トカナントカ。よって楽器を演奏するのは脳の訓練になる。ボケ防止に良い、などとパワーワードにつながるわけだが、口の悪い匿名掲示板では「脳が特殊な動きしてる?だから楽器やってるやつに頭オカシイやつが多いのか」とあって、腹が立つよりも笑ってしまった。確かにそういうことはあるかもしれない。(オイオイ
楽器を弾くためには右手左手だけではなく体全体で特殊な動きが必要である。知らんけど。それに音を聴き分けるために相当な修練が必要である。Youtubeなどでコード進行をほぼ即座に聴き分けている人を見ると唖然とする。事前の仕込みではなく、慣れると本当にコードの耳コピができるようになるらしい。脳がただごとではないに違いない。
左手でバッキングしながら右手でアドリブをする。これだけでも相当大変だ。大変なのは、脳を相当訓練しないとダメだからで、まず突破口は左手の動きじゃないかなあ、とずっと思っている。さあて、練習、練習。