打ち込みで曲を作るということ

生楽器をノーミスで演奏することは極めて難しい。以前から書いている通りだ。ずっと昔から、いささかもこの感想は変わらない(やれやれ。

特に難関曲(全音ピアノライブラリーの上級・第5課程以上、ショパン、バッハなど)となると、ノーミスで弾き通すには幼少期からの訓練が必須だ。恐らくは小さい頃から練習していた全員がノーミスできる※わけではなく、プラスアルファの才能、すなわち継続的に一定の集中力を維持しながら反復練習する才能が必要だろう。長期間(しかも数十年のオーダーだ)の集中した練習が必要となれば、大人になってから難関曲のノーミス演奏を達成することはほとんど絶望的である。残念ながら。

※「ノーミスできる」「ノーミスした」という奇妙な言葉はフィギュアスケート界発?

それでも僕は練習をなるべく継続している。腕立て伏せのようなものだ。何が楽しくて練習するのか?よく分からない。指をばらばらに動かすのが楽しい?メロディが指から生まれるのが楽しい?それもあるだろうが練習のモチベーションは「習慣になってるから」に尽きる。やらないと落ち着かない。いつまで経っても仕上がらねーな、下手だなと思いながらBachを練習する日々。

打ち込みのミスは修正ができる。しかも着実にミスを潰していける。一旦直せば二度とミスをしないのだ。確かに手間はかかるが、楽器の練習時間と比べると微々たるものだ。コピペすらできる。

ピアノでバッハの平均律を一曲弾いてみよう。毎日練習である。難曲であればとりあえず一通り弾くのに数ヶ月かかる。数回ミスりながらも通しで弾くのに半年以上。ノーミス演奏となると、オレが死ぬまでにできるんか?である。

打ち込みなら正味3,4時間で完了だ。何度でも再現してくれる。今どきは音もいい。何となく聞くだけなら生ピアノの音と区別は難しい。注意深く聞けばさすがに人間の演奏とは別物であることが分かる。テンポが正確過ぎるのだ。タイミングについては打ち込みソフトで1,000分の1〜数秒?程度?で調整できるようだから、細かく調整すれば人間っぽい「ブレ」は作れるようだ。流石にそんなことをしている暇はないし、個別の音をずらしたとしてもトータルの拍がぶれないから、やっぱりよく聞くと「怪しいぞ?」となるだろう。

それでも素人ながらとにかく一曲作れてしまうのは楽しい。こうやってプロも曲を仕上げているんだな、と思う。以前は楽器演奏のプロ、音響のプロ、プロのエディタが、高価な機材を用いて仕上げていた曲が、パソコンで出来てしまうんだから、そりゃ楽しいぜ。と思いながらLogic Proをいじって遊ぶ昨今である。そんな簡単な話ではないから、手放しで楽しいわけじゃなくて、ちょっと大変なんだけど。

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