
相変わらずLullaby Of Birdland(以下LOB)を12キーで練習している。
12キー練習は大事だ。でも、機械的に12キーやったところで効果は薄いのである。考えながら練習する必要がある。
例えば最初の4小節の Fm7 Dm7(-5) G7(b9) C7 。これを何となく弾いてるとあまり効果的な練習にはならない。
「最初はFマイナーの1625だ。”6”は短三度下なのでメロディックマイナー。よってコードは(メロディックマイナーのダイアトニックコードで)ハーフディミニッシュになる。逆に”2”は本来は(つまりナチュラルマイナーのダイアトニックコードなら)ハーフディミニッシュだけれど、LOBでは代理コードで7thを使っていて、Fマイナーのモードから外れている。ここでいわばマイクロ転調している。これが味になってる。最後のC7は次のFmに着地する布石」などと思いながら弾くわけ。
ちんぷんかんぷんなようで、アナライズの基礎さえ分かっていれば機械的に解釈できるのである。でも機械的に解釈したって身につかないのが残念なところだ。実際にストーリーを感じながら弾けるようにならないとね。
僕もまだまだ全然弾けないけどね。
12キー練習の代表といえば「枯葉」。でも僕は枯葉の12キー練習はあまりしつこく取り組む必要はないように思う。なぜなら4度進行しかないからだ。4度進行だけでできた曲は珍しい。ある意味では見事である。逆にいえばかなり特殊な曲なのである。枯葉ばかりやってると、 1から6、1から3への進行で「うっ」と止まってしまう。1-6、1-3進行を素早く見抜けるかどうかは結構大事である。
その点LOBはマイナーの1-6-2-5やメジャーの3-6-2-5、1-4、6-3、4-7などのやや特殊なコード進行を含みつつ(サビの部分はメジャーの6-2-5-1と解釈してもよいし)、全体はAbメジャーFマイナーで通しているという、一つのキーで様々なコード進行を極めた曲となっている。つまり12キー練習としては相当勉強になるのだ。
何より、好きな曲ってのが大きいよね。弾いてて楽しい。これが大事。